調布駅の地下工事見学は度肝を抜かれたぜ [おとなの社会見学]

連続立体交差事業とは簡単に言うと鉄道と道路を“立体的にわける”ということらしい。
京王電鉄京王線と相模原線の道路と鉄道を連続立体交差させる工事で柴崎駅から西調布駅,相模原線の調布駅から京王多摩川駅までの地下に埋めてしまうものすごい事業なのだ。国領駅,布田駅,調布駅は地下化される。
鉄道が地下化されるとどうなるって?こんな開かずの踏切が一切なくなって渋滞が解消するし,なにより踏切事故がなくなるのだ。今回の工事では18箇所の踏切がなくなり8箇所の都市計画道路がスムーズに走れるようになる。

まずは鹿島・京王・東亜・林建設JVが担当している第3工区を見学する。第3工区は調布駅付近になる。さっそく6m程の深さの地下へ降りていると鉄骨の森。
この空間は将来,調布駅のコンコースになるそうだが今はとても想像できない。

さらに地下へ降りる。

地下15mの図がこれだ。
ヒーハー。何だよこのポカーンとあいた空間はよ。
上の鉄板がさっきまで歩いていたとこ?さらにこんな地下空間があるとは驚き。
つーか,こんなに足元がぽっかりしてたと思うとこえぇよ。

奥をズームアップするとまだまだ掘ってるようだ。

さらに降りるんだって。まじっすか。まだ深いんすか。
地下25mに到着するとまるでUFOの秘密地下施設。
周りを囲っている銀色のシートはUFOを隠してるんじゃなくて止水シート。こんだけ深いとだぶだぶ地下水が滲みだしてくるのでそれを防止するためのもの。さらにコンクリートを吹いたりして水漏れを完全防止するから安心だ。

あれだけの地下空間を掘るとすさまじい量の土砂がでて運びだすのもひと苦労。
調布駅そのまんまというロケーションのために運びだすのもポイントも限られる。そこで線路をひいて数カ所からまとめて排土する作戦にしている。京王線の下にはさらに線路があるのだ。

真上の隙間には京王線が走ってるのが見える。
あれ?人も見える?どうやらここは調布駅の真下みたい。
まさか地下にこんな空間があるとは思ってもないだろう。

この工事の大変なところは営業路線に影響なく工事をおこなうこと。
説明してもらった終電が終わってから市電までの僅かな時間で軌道やホームを切り替える一夜城作戦は圧巻だった。夜間作業で広い場所もないからデカイ重機でガンガン作業できないからすごい人数で線路を引っ張って調整したりしてた。
ここから清水・京王・間建設が担当する第四工区。ここはシールドマシンで掘削する工区でどんなになっているかわくわくするぞ。立坑から下を覗いてみたけどトンネルは見えず。お楽しみはこれからのようだ。

不意に現れた光景。なんだこのありえへん光景はー。早く階段を降りるぞ。

ああ。言葉になりません。
上の2つはまだ掘削が開始されてないけど4つの秘密トンネルを目撃してしまった衝撃を覚える現場です。まるで銀河鉄道999を彷彿させるシールドトンネルのその先はきっと未来につながっていることでしょう。ついつい言葉も丁寧になります。

興奮のあまり寄りすぎた。
構図からはみ出すほどの常識からはみ出したシールドトンネル達。
今まで多くのトンネルを見たけどトンネル達と複数系はめったにない。しかも4つとはレコード更新である。

うーむ。これはマジで銀河鉄道でてくるよ。
ちゃんと説明すると,このシールドトンネルは京王線と相模原線。京王線は379mで相模原線の424mの上下線の計4本。全部まとめた1600mの距離を一台のシールドマシンで掘削する。この場所が中心部分で右下のトンネルの向こうから掘ってきて,この立坑で向きを変えて左下トンネルを掘っていく。向こうに行ったらジャッキアップして上を掘りながらここまで戻ってくる。ここでまた向きを変えて右上を掘って向こう側に進んでいくのだ。
なんとなくわかった?

そろそろ落ち着いてきたからシールドトンネルを覗いてみた。
セグメントはRCセグメントのようだ。若干曲がってるけどRCっぽい。
まだ掘削を初めて間もないのですぐそこにシールドマシンがいるようなんだけど見えなかった。残念。

掘削しているシールドマシンは直径約7mで重量は350トン。こんなどでかいマシーンを4日で方向転換させて次のトンネルを掘り始めたそうだ。地下のモンスターマシンに休んでる暇はない。
4連シールドトンネルここの真下あたり。地上からでは想像もできない。

調布駅の地下はすごいことになっている。
地上からは見えないけどたくさんの作業員が日の当たらない地下で新しい京王線と相模原線のためにがんばってた。また機会があったら見学してみたい。
圏央道裏高尾橋工事編に続く。


